2009/11/28

地球の中心


私は欲張りだ。
あれもしたい、これもしたい。
かと言ってそれを達成しても満足するわけではない。
昔からわがままで、欲張りだった。
そんな私だから、自分にももちろん満足はしない。
自分に自身はないし、コンプレックスの塊。
ネガティブで、落ち込んで、落ち込みやすい。
全て挙げたらここには書ききれません。

自分さえも認めてあげられず、何でこんなに求めてばかりなのかとつくづく嫌になる。
目の前にいる子どもたちといえば、泣いて笑って、怒って遊んで、勉強して…また笑う。
いろんな表情を私にくれる。そんな子どもたちに私のような悩みはきっとないんだと思う。
私の悩みなんて、比べるものがあってこその贅沢な悩みだろう。
いろんな意味で、何もないところから始めているインドの子どもたちには、
何不自由ない暮らしをしている私たちの悩みや欲なんて理解不能でしょう。
そんな小さな私は、小さくしか成長できない。
でも、大きな子どもたちは小さな私の前で、毎日大きく羽ばたいている。
すくすくと目に見える子どもの成長の早さ。
私が教えたことは素直に受け止め、吸収する。
見ていて羨ましい。私にない部分を兼ね備えている天使たち。
先日、日本に一時帰国した時の事。
奇遇にもいろんな会社のお偉いさん方と会う機会があった。
世の中には凄い人が沢山いると実感した。
でもその日、満員電車に揺られて帰っている私の目の前には、口を大きく開けて寝ているサラリーマンがいた。 私の心に疑問が沸いた。
自分に被せて、比較して悲しくなってしまった。

インドに戻るやいなや、学校のボランティアでゲストハウスには沢山の人が来てくれている。
一人ではない心強さと共に、もっとしっかりしなくてはいけないと実感する。
もっともっと人に喜んでもらうには、私が努力しなければいけないんだ。
全ての行動、言動からのプレッシャーに、たまに押しつぶされそうになる。
それでいてインド人のペースに押し切られ、何も思い通には進まない。
そして凹む。
凹むはいいが、そんな姿は見せられない日々だ。
でもそんな日々を選んだのは私なんだ。
辛いと言ってしまう自分の弱さ、儚さが浮き彫りになってしまうインドの日々。
そんな中、小さく弱い私が気付いたことがある。
辛いとき、
「何のためにここにいるの?」
と自問自答してみて、ハッとした。

「幸せはここにあるじゃないか。」

ちょっと息を止めて、下がってみる。
そしたら楽になったんだ。

今、幸せが目の前にあって、それを噛み締められることに気付いた。
求めてばかりだと、失うものがたくさんある。
今を認めて、自分を認めてあげられたら、幸せはこんなに傍にあるんだと子供たちが教えてくれた。
私も子どもたちともっともっと成長していきたい。

誰かが言ってた。
「ここが地球の真ん中みたいだね」と。

※旅学5号 掲載原稿より

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